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短編小説 #08.クローン・ファクトリー 

僕は、クローン人間を短時間で作り上げる技術を使って、金持ちの連中に売買していた。もちろん、公に出来ない秘密の機関だった。
有名女優のクローンなど作れば、みんな喜んで金を落としてくれるだろうと思っていた。これでガッツリ稼いで、金持ちの仲間入りができると信じていた。
しかし、いざクローン売買を始めてみると、臓器目的だったり、詐欺や死体の隠蔽など、もっと黒い目的で利用されていた。顧客のほとんどが、世界規模のヤクザだった。
人間を複製できるということは、あらゆる完全犯罪を容易にしてしまう。そんな重大なことに気付いた時には、もう後には引けなくなっていた。
顧客の秘密を知ったその日から、脅されるようになった。
最初の頃にあったはずの報酬も、いつの間にか無くなり、ただ働き同然になっていった。
そのうえ、休もうとしたり、辞めたりした場合は、命の保証は無いと念を押されるようになった。いつの間にか、奴等の奴隷になってしまったのだ。
もちろん、そんな生活…僕は望んではいない。しかし、何処に逃げように連れ戻そうとするだろう。最悪、殺されるかもしれない。

いろいろ考えた挙句、僕は自分のクローンを作り、身代わりを立てることにした。
自分の記憶も移植する技術もあるので、全く同じ人間が出来あがる。
そして、クローンをこのまま働かせ、自分自身は何処かにトンズラしてしまえばいい。クローンには可哀想だが、他に方法が思いつかった。

僕は、早速その作戦を実行し、研究室を後にし、かつて自分が住んでいた家に向かう。玄関のドアノブに手を掛けたとき…違和感を感じた。鍵が掛かっていなかったのだ。しかも、家の中に人の気配がしてぞっとした。そこにいたのは、自分と同じ姿をした人間が…何十人もいたのだ。
「まさか…。」
それは悪夢だった。いやな考えが頭に浮かんだ。僕は身代わりとして、同じ記憶を持ったクローンを作った。そのクローンがもし、同じ考えに至ったとしたら…。
次の瞬間、確信に変わった。後ろを振り返ると、玄関先には僕と同じ姿をした男が驚いた表情で「まさか…。」とつぶやいているところだった。
END
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[2007/05/09 04:33] 未分類 | TB(0) | CM(2)

おもしろい!

ぞわっとしました。
自分のクローンを作ろうとしたところで、もしや……とオチを予測。
しかし「何十人も」というのにビビリました。
しかも直後にもう1人増えてるし。
無限増殖だ……怖すぎる。
この短さでテンポよく展開していくのはすごい。
呼んでいて気持ちのいいSSでした。
[2007/05/09 12:46] 『ち』 [ 編集 ]

無限増殖

感想ありがとうございます。

僕は、自分のクローンがいたら、創作の効率が2倍になるので欲しいなと思ったことがあります。何十人もいらないけど。
[2007/05/10 20:19] take [ 編集 ]

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